プロジェクト
London Underground Ltd.(LUL)はこの3,400万英ポンド規模のプロジェクトで、ジュビリー線にある215メートルのトンネル部分を覆う既存の拡張覆工コンクリートを、鉄道の運行を止めることなく、安全に球状黒鉛鉄製の覆工に交換する必要がありました。改修工事中も旅客が平常どおりに鉄道を利用できるようにするには、夜の2時間半の間に工事を行う必要がありました。また、資材の作業現場への搬入や運び出しも夜間に行う必要がありました。LULは、安全に効率よく覆工を完了し、時間、コスト、騒音と振動、環境への影響を最小限に抑えるため、モデリングと解析に統合的なアプローチを必要としていました。
ソリューション
トンネル覆工中に鉄道の運行に支障が出ないように、夜間に列車搭載型のセグメント処理プラントを使用して、機械により覆工を置き換え、資材と作業員を作業現場まで輸送しました。LULはBentleyソフトウェアを利用して、共通データ環境での統合型のインフラストラクチャの設計およびワークフロープロセスを開始しました。このプロセスは、地理空間的に正確で完全に調整された3Dモデルの作成を確実にし、コラボレーションの促進、意思決定の向上、計画、設計、保証の効率向上にも貢献しました。
成果
Bentleyのソフトウェアを利用することで、仮想設計、および、バリューエンジニアリングとバリューマネジメントを適用し、安全で効率的なソリューションを実現できました。ProjectWise を使用してプロジェクトコンテンツを管理し、設計プロセスと保証プロセスを合理化できました。共同作業によるモデリングが可能になったほか、情報モビリティが向上して、エラーの削減、リスクの最小化、安全の確保につながりました。Bentleyソフトウェアを使用して設計および解析した3Dモデルと4Dモデルは、関係者と意思決定者の理解に貢献し、15%のコスト削減、4か月の工期短縮、建設現場での最適な施工を実現しました。
ソフトウェア
ProjectWiseを共通データ環境として利用することで、英国規格に準拠したワークフローに基づいて、エンジニアリング部門とプランニング部門からのプロジェクトデータへのアクセスを管理できました。チームメンバーの2D図面、3D画像、4Dのアニメーションシーケンスのレビューと共有には、Bentley Pointoolsが使われました。また、MicroStationによってi-modelと3D PDFを作成し、それらをBentley Navigatorにインポートして4Dシミュレーションを行うことで、安全性の確保を図り、関連メタデータを割り当てて資産ライフサイクル管理を行いました。Bentleyツールのこの相互運用性の高さが、設計、保証、建設を1つに統合したプロセスを可能にしました。