プロジェクト
アフリカの僻地、コンゴ民主共和国(DRC)南部に位置する新しい硫酸工場は、コンゴ民主共和国最大級の銅採掘事業を支える数千トンの硫酸を製造します。この2億4,500万米ドルのプロジェクトには、日産1,400トンの製造施設と、20メガワットの廃棄物発電システムが含まれています。エンジニアリング、調達、建設、製造の請負業者として採用されたHatchには、早期着工方式で進める顧客のスケジュールに合わせて工場をデリバリすることが要求されました。地理、環境、物流に関する課題に直面したHatchは、厳しいスケジュールに対応するために、ワークフローのデジタル化と合理化を実現するための統合技術を必要としていました。
ソリューション
プロジェクトチームは、構造用鉄骨部品のモデル化と解析を行い、硫酸工場全体のデジタルツインモデルを作成しました。コネクトデータ環境を構築したことで、世界中に分散した5箇所のエンジニアリングオフィス間での情報の管理と共有が可能になり、現場担当者、コミッショニングチーム、設置請負業者とのデジタルコミュニケーションが促進されました。Hatchは、プロジェクトの課題を克服するために、完全にペーパーレスなデリバリプロセスを開発し、それにより、デジタルワークフローを導入し、これまで手作業で行われていたプロセスを自動化しました。
成果
コネクトデータ環境での作業によってデジタルワークフローが合理化され、デリバリスケジュールが6週間短縮されました。統合アプリケーションを使用したことで、エンジニアリング品質の最適化とプロジェクトデリバリの工業化が実現しました。これにより、実運用開始までの期間が23週間短縮され、業界の新たなベンチマークが確立されました。材料表の抽出と調達に対するインテリジェント3Dモデルの適用を拡大することで、クライアントの購入コストを10~15%削減しました。デジタルツインを使用したことで、プレハブ式スプール配管を工場で製作するのではなく、バルク配管材を輸送できるようになり、砂利区間のある2,800キロメートルの道路でも輸送費が1/4削減されました。
ソフトウェア
Hatchは、STAAD、OpenPlant、OpenBuildings Designerを使用して、厳しいスケジュールに対応しながら硫酸プラントの設計を最適化し、厳格な規制要件を満たしました。プロジェクトチームは、ProjectWiseで管理されているコネクトデータ環境でBentleyのインテリジェントな設計および解析アプリケーションを活用することで、品質エンジニアリングプロセスを上流に配し、調達戦略と物流戦略を改善して、建設の手戻りを最小限に抑えることができました。あらゆる生産ニーズに対応する3Dデジタルツインによって、従来のような紙による図面の作成が不要になり、配管および鉄骨製造プロセスが改善され、データ中心の調達が主流になりました。
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、Navigator、OpenBuildings Designer、OpenPlant、ProjectWise、STAAD