プロジェクト
Roy Hill Iron Oreは、オーストラリア州において総予算100億豪ドル、生産量年間5,500万トンの大規模な露天採鉱事業を進めています。この巨大プロジェクトには、300平方キロメートルを網羅する上下水道の運営が含まれます。Roy Hillは、上下水道網の設計と運営を最適化することにより、鉱山寿命(LOM)の20年間にわたり経費を削減する予定です。まずは5億豪ドルを投じて水道インフラを整備し、順次拡大する採鉱の操業に速やかに対応します。
ソリューション
水管理チームは、限られた地下水を確保しながら、必要に応じた水量を消費者の地域に供給しています。WaterGEMSの水理モデルに基づいて、すべての計画および設計の意思決定が行われます。同チームは、現在と未来のシナリオをモデリングすることにより、パイプラインのサイズ、圧力定格、ボアポンプのランタイムなどの要素を最適化し、操業要件の変化に最低限の費用で対応します。また、地下水位を坑道下盤の1メートル下より低く保ちながら、採鉱の遅れを防いでいます。
成果
上下水道網の最適化により、操業開始から2年の間に、主に資本的支出(CAPEX)において175万豪ドルを超える費用を削減しました。プロジェクト終了までには、資本的支出と運営費を合わせて3,800万豪ドルを削減する見込みです。138の原水孔と75の海水孔からピーク時には1日に1億4,000万リットルの水をくみ上げることで、変動する消費者需要に応え、地下水の水質を維持するとともに、廃棄水量を最低限に抑えながら排水と粉塵抑制の目標を達成しています。
ソフトウェア
WaterGEMSの水理モデルには、現場においてすでに竣工されたアイテムと今後竣工されるアイテムの両方が含まれます。現在と未来のシナリオに目を向け、水理モデルで長期にわたるシミュレーションを実行することにより、プロジェクトチームはシステムの運用についての理解を深めるとともに、不明点に対処して設計プロセスの保守的要素を取り除き、それによりプロジェクトの総費用を削減することができます。たとえば、非効率な要素を特定して取り除くことで、供給タンクの残量を保つのに必要なエネルギー量とボアポンプの数などの運営費を削減しました。