プロジェクト
米国メリーランド州道路管理局(MDSHA)道路運送課では、10,000マイル(約16,093 km)以上を移動するサイズ超過車両および重量超車両(OS/OW)に対し、年間最大で150,000通の運送許可証を発行しています。同州のルートは5,200に及ぶ橋梁の上または下を走っています。以前は、特別にルート設定された1回限りの運送許可証や30~365日間有効な汎用の運送許可証を発行するプロセスが管轄区ごとに異なっていたため、運送業者は大幅な遅延を余儀なくされていました。このプロセスを迅速化するため、MDSHAはOS/OWの許可およびルート設定を自動化するシステムを州内全域に導入しました。
ソリューション
230万米ドルを投じた同プロジェクトではMDSHAによる厳密なプロジェクト管理と強いリーダーシップが求められました。その成果が、管轄区ごとのワークフロー要件を満たす新機能を備え、柔軟に設定を調整できるソリューションです。このシステムの導入により、許可証発行、ルート設定、橋梁解析、規制管理などの業務がシームレスに統合されました。また、許可証発行とルート設定の自動化に対応したBentley製品は、MDSHAが単独で最初から開発するソリューションと比べ、数倍の早さで導入できました。
成果
自動化された新しい運送許可システムである“Maryland One”が導入されたことで、80%を超える許可証発行業務が自動化されるとともに、10人の常勤職員を該当業務から解放して他の業務に充当できました。このワンストッププロセスは迅速かつ簡単で、使いやすく、正確性に優れています。また、運送業者は従来よりも迅速に許可証を入手でき、高額な手数料、遅延、罰金を回避できるようになるため、年間2,460万米ドルの経費節減効果が得られると予想されています。さらに、規制遵守率が向上することで違法運送が減少し、路上や橋梁におけるドライバーの安全性が向上するものと期待されています。
ソフトウェア
SUPERLOADは、許可証発行、ルート設定、解析に関するMDSHAの厳しい要件を満たしました。LARS Bridgeがシステム内に作成した詳細な構造モデルがSUPERLOADに読み込まれ、リアルタイムの橋梁解析に使用されます。また、AssetWise InspectTechで管理されている橋梁台帳および検査情報がSUPERLOADによる橋梁の位置とクリアランスの正確な把握に役立てられています。Bentley CONNECTクラウドサービスは、エキスパートにより管理される信頼性とパフォーマンスに優れた環境を提供します。