プロジェクト
高品質かつ低コストで信頼性の高い発電所の建設プロジェクトは、大人数の作業者が関わり、要件が細かく、資材も多岐にわたるため、非常に複雑となります。プロジェクトのリスクを最小限に抑えて成功を確実なものとするため、日立GEニュークリア・エナジー(日立GE)は最下位レベルの作業に至るまで精密な管理を行い、簡単に入手できる方法で直感的かつ確実に作業情報を提供する必要がありました。そのため、日立では建設工程の統合的な制御と精密な管理を支援すると同時に、最適なタイミングで明確かつ正確な情報を現場作業者に提供するシステムを設計する必要に迫られました。
ソリューション
日立GEは人を中心としたアプローチを取り、作業者が実際にどのように作業を行っているかを調査し、そこから得られた知見に基づいてBentley MicroStationをプラットフォームとする統合型のプラント建設システムを設計しました。MicroStationの柔軟性と相互運用性のおかげで、日立はアプリケーション開発のカスタマイズ、他の3Dソフトウェア建設システムとの連携、現場作業者との効果的なコミュニケーション等に欠かせないさまざまなハードウェア機器のサポートといった課題を克服できました。
成果
日立GEは統合型プラント建設システムのプラットフォームとしてMicroStationを採用し、数万件に及ぶ作業記録を基に各作業を担当者、時間帯、およびプロセスに関連付け、それらのデータを将来の計画や調整に役立てています。現場担当者が正確な建設情報をいつでも簡単に入手できるようになり、先を見据えながら作業を行えるようになったため、日立GEは高品質で信頼性の高い発電所を所定の予算内で期日どおりに竣工できました。日立GEでは、MicroStationを基盤としたシステムがもたらす効率性とプロジェクト管理機能から、20%の建設作業コスト節減効果が得られるものと見込んでいます。
ソフトウェア
日立GEがMicroStationを統合型プラント建設システムのプラットフォームとして採用した理由は、同製品が柔軟なカスタマイズや拡張に対応し、現場作業者が簡単に利用できるツールを備え、社内のCADシステムとの相互運用が可能であり、グラフィック機能が高速で表現力に富み、広範なハードウェアをサポートしている点にありました。Bentleyの3Dモデリング技術および視覚化技術を利用して、プロジェクトチームメンバー全員がさまざまなプロジェクト領域や作業のスケジュールをグラフィカルな形式や表形式で確認できるようになりました。ユーザーフレンドリーなインターフェースが用意された結果、コラボレーションの促進、建設プロセスの合理化、生産性の向上につながりました。