プロジェクト
中国北西部の江西省にある人口470万人の九江市では、上下水道システムの問題が繰り返し発生していました。氾濫、下水道ネットワークの詰まり、近隣の長江の汚染といった問題です。そのため、この地域は、200平方キロメートルを範囲とする総工費77億人民元の包括的なスマート水管理プラットフォームプロジェクトの対象に選ばれました。このプロジェクトの計画には、新しい下水処理場、ポンプゲート、配管ネットワークの建設が含まれています。開発には広範囲かつ複雑な作業を要するため、100以上の分野にまたがるプロジェクトチームで行われることになりました。
ソリューション
Shanghai Investigation, Design & Research Institute (SIDRI) Co., Ltd.とYangtze Ecology and Environment Co., Ltd.は、スマート水管理プラットフォームの設計に際して、設計から建設までのプロジェクト全体にわたって活用できるBIMエンジニアリング管理ソフトウェアを導入しました。両社は、プロジェクトエリアと、新しい下水処理場、水道ネットワーク、機械類の2D GISマップを、BentleyのContextCaptureで生成した3Dリアリティメッシュに置き換えました。また、ProjectWiseをベースとした共同設計プラットフォームを使用して、情報をシームレスに共有するとともに設計のクラッシュを検出し、解決しました。プロジェクトチームは、iModel ProjectWise Bridge Serviceを使用してBIMモデルをiModelHubクラウドにアップロードすることで、データアクセスと情報共有の効率をさらに向上させました。また、市内の洪水発生リスクが最も高い地域を特定して洪水防止策を講じるために、BIMモデル内に水量と雨水流入量を予測できる水理モデルを作成しました。
成果
プロジェクトチームは、建設現場のデジタル表現を作成し、プロジェクト関連のデータを表示しました。このプロセスによって、人件費の80%、設計費の60%を削減しながら、スマート水管理の設計図を作成し、九江市の水道システムを改善することができました。プロジェクトチーム全体での情報の共有にProjectWiseを使用し、クラッシュの検出と解決にNavigatorを使用したことで、設計エラーが80%減少し、設計と検証にかかる時間が800時間短縮されました。これが400万人民元のコスト削減につながっています。BIMアプローチですべての建設工程を管理したことで、プロジェクトチームの効率が改善し、品質が向上するとともに建設コストの20%削減とスケジュールの4か月短縮が実現しました。
ソフトウェア
プロジェクトエリアと新しい下水処理場の2D GISマップを、ContextCaptureで作成した3Dリアリティメッシュに置き換えました。OpenBuildings Designer、OpenRoads、OpenPlant、およびProjectWiseを使用したことで、設計者はビル設計、水道管ネットワーク、周辺環境、およびその他のインフラの詳細をデジタルモデルにすべて組み込むことができました。iModelHubでBIMモデルをホスティングしたため、共同作業の効率が向上し、多分野型チーム全体で円滑に情報を共有できました。また、ProjectWiseによって、多分野型チームの効率的な共同作業と、建設開始前のクラッシュの特定および解決も可能となりました。
プロジェクトプレイブック: ContextCapture、Descartes、iModelHub、LumenRT、Navigator、OpenBuildings、OpenBuildings Designer、OpenFlows FLOOD、OpenPlant、OpenRoads、ProjectWise