プロジェクト
2022年の冬季オリンピックに備えて、3時間かかる北京市と張家口市間の移動を50分に短縮する京張高速鉄道の建設が進められています。本線の全長は約170キロメートルで、71箇所の路床、64基の橋梁、10本のトンネル、中国最大の地下掘削駅を含む10駅が付帯します。China Railway Engineering Consulting Group Co., Ltd.(CEC)は、予備設計と詳細設計、施工図の作成を担当しています。23のエンジニアリング分野にまたがり、複雑な環境条件と入り組んだ建築構造物に対応する必要がある、この535億人民元のプロジェクトをデリバリするには、統合設計アプリケーションが必要でした。
ソリューション
CECは、MicroStation®、OpenRoads、OpenBuildings™ Designerを使用する3D BIM戦略を採用して、共同作業型の設計、モデルレビュー、不整合検出、設計シミュレーションを行いました。ProjectWise®を基盤とするBentleyのオープンな連携されたデータ環境(CDE)によって、多分野間での情報のアクセスと共有が実現しました。Bentleyの統合アプリケーションによって、パラメトリックモデリングと協調設計が容易になりました。これにより、砂がちで暴風雨が多いアルプス気候の低温地帯を設計速度350km/時で運行できるよう設計された世界初の高速鉄道プロジェクトにおける地質および構造上の課題を克服できました。
成果
CDEで作業することで、複数の分野間での情報交換が最適化され、リアルタイムでのデータアクセス、ワークフローの合理化、手戻りの削減、効率向上を実現できました。Bentleyの統合BIMアプリケーションによって、設計期間が3か月短縮され、300万人民元に相当する人件費を節約できただけでなく、環境への影響を抑えることもできました。Bentleyソフトウェアを利用してコンポーネントの標準ライブラリを開発し、多分野間モデリングを加速しました。共同作業型の3D BIMプロセスでは、データと設計コンテンツを一元管理し、設計の品質と精度が向上しました。また、将来の中国の高速鉄道プロジェクトに役立つBIMアプリケーションを作成しました。
ソフトウェア
CECは、ProjectWiseを使用して共同作業型のプラットフォームを構築し、仕様の異なる56の設計セクションのデータを統合して、23のエンジニアリング分野間で最適に連携・協調できるようにしました。高速鉄道の仕様をOpenRoadsにインポートし、設計者が規格に準拠している設計要素を特定して、ベースになる設計標準を作成できるようにしました。MicroStationとOpenBuildings Designerを使用することで、包括的なコンポーネントライブラリを構築し、パラメトリックモデリングを実践して設計プロセスを加速できました。LumenRTの画像レンダリング機能により、鉄道のランドスケープ設計が容易になり、クライアントとのコミュニケーションやクライアントレビューが強化されました。
プロジェクトプレイブック: LumenRT、MicroStation、OpenBuildings Designer、OpenRail、OpenRail Connected Data Environment、OpenRoads、ProjectWise